劇場アニメ『天気の子』 評価・感想 懐かしい「あの」新海監督が帰ってきた?!
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公式サイト より
概要
今や、世界的に注目されるアニメーション監督・新海誠。 叙情的な男女の物語を、美しい色彩と繊細な言葉で紡ぎ出す“新海ワールド” は、 国内外問わず多くの人々に支持され、生み出された作品は高く評価されてきた。 そして、前作『君の名は。』から3年― 待望の最新作が、ついに始動する。 これは、僕と彼女だけが知っている、世界の秘密についての物語
三年前の夏、いつもと同等以上の美術表現と、いつもとは少しテイストの違う物語を携わった、
『君の名は。』で日本中ないし世界中を熱狂させた新海誠監督。
そこを続く『天気の子』は、果たしてどのような作品になるのだろうか?
五段階評価
★★★★★
合う人・合わない人
- 合う人
- 新海監督のファン
- 特に古くからのファン
- いわゆる「セカイ系」作品に興味のある人
- 未熟な青春物語の好きな人
- 新海監督のファン
- 合わない人
- 『君の名は。』のテイストこだわる人
- 幼稚な思想や行動を嫌う人
- 設定やシナリオの完成度にこだわる人
短評
本来の持ち味を上手い具合に薄め、王道のど真ん中を行く作品、
『君の名は。』で一気に国民的なアニメ映画監督になった新海監督。
しかし、その三年後に誕生した本作『天気の子』は、
むしろその原点となる『ほしのこえ』を彷彿とした、
人々に息苦しさを感じさせる「セカイ系」作品だった。
監督本人が言ったように、この作品は「賛否両論」になるだろうし、
一部の人を「怒らせる」ような作りになっているが、
僕はこの作品を絶賛したい。
これこそが、新海監督のみが創造でき、
『君の名は。』の三年後であるこのタイミングでこそ最大の意味を持つ、
最高に「新海誠の味」にあふれた名作だ。
感想(※ネタバレなし)
画面と音だけでもお釣りが来る!
とりあえず、キャラだのストーリーだのつべこべ語る前に、
映画を語るに欠かせない要素から話そう。新海監督といえば、そんなに詳しくない人でも、
脳内にはその美麗な風景描写が思い浮かぶのではないだろうか。
その中でも、自分は雲・光と影、そして雨の描写がとても好きだ。
今回の『天気の子』は、その名前の通り、天気を一つのテーマとして扱っている。
晴れから雨の変化、そしてその逆となる雨から晴れの変化が、
まさにこれらの要素の美しさを最大限に生かしており、
そういうシーンが一つ出るたびに息を飲むほどの感動を覚えた。もちろん、画面描写の美しさはこれに限らない。
色鮮やかに描かれた東京の街は『君の名は。』と同等以上に美しかったし、
浮遊感あふれた幻想的な風景も今までの新海作品からの正統なる進化を感じさせた。このような美麗な画面をさらに素晴らしい体験にしたのが、同じく美しい音。
雨天というテーマに完璧に合致した楽曲と雨音は聞いているだけで気持ちいいし、
ストーリーの展開やキャラクターの心情に沿ったBGMには気持ちを動かされた。
『君の名は。』に引き続き、今回の音楽や主題歌もRADWIMPS担当だが、
その仕事っぷりは三年前と同等以上に素晴らしいものであり、
挿入歌が響くシーンに思わず涙を流した方も多いのではないだろうか。
今回は野田洋次郎さん以外に、三浦透子さんもボーカルを担当しており、
それによって本作の音の幅がさらに広がり、
『君の名は。』を想起させながらも飽きを感じさせない素晴らしい出来だった。とにかく、本作は本当に画面と音という、
いわゆる「表面的」な要素だけでもチケット代にお釣りが来るに出来になっているので、
ぜひ広い画面といい音響のある映画館にて体感しましょう!新海誠史上最高に可愛いヒロイン!
※個人的な感想です!『君の名は。』(正確に言うと『クロスロード』か)以前の新海監督作品は、
いわゆる「萌え」に寄せた作風のキャラクターデザインを起用しなかったせいか、
ヒロインは見た目のみで「可愛い」と思わせるようなデザインではなかった。
(もちろんこれが悪いとはまったくもって思っていないが)
そのため、『クロスロード』と『君の名は。』の予告を見た際、
何より田中将賀さんデザインのヒロインの可愛さに衝撃を覚えた。しかしまぁ、田中将賀さんがキャラデザを担当する作品は今まで何作も見てきたわけで、
新海監督との組み合わせに衝撃を感じていたが、
それも二作を経た今となってはもう慣れたものだろう…と、僕は思っていた。
そう、『天気の子』の予告を観るまでは。考えが完全に甘かった。
確かに海帆も三葉もとても可愛かったが、
その格好は制服や着物など、いわゆる「正統派」のデザインになっていた。
しかし本作では攻め方を変えており、
私服と小物の合わせ技で観客を落としにかかってきた。具体的に言うと、チョーカーだ。
ヒロインである天野陽菜が首に付けていたチョーカーが、
彼女の「可愛さ」と「エロス」と言う二面性を絶妙に演出しており、
今までの新海ヒロインたちとは全く違う魅力を与えていた。
陽菜が異なる服装を着替えた際にも、チョーカーだけはずっと付けているのだが、
不思議なことにどんな服装にもこのチョーカーは完璧にハマっていて、
その服装の普段とは違う美しさを引き出しており、
陽菜をさらに魅力のあるヒロインに仕上げていた。もちろん、チョーカーだけではない。
今までの新海ヒロインが誰一人身につけたことのなかった、
パーカーやハイカットスニーカーなども絶賛もののアイテムであり、
このようなフェティシズムについて語るだけで長い記事が書けそうだ。
とにかく、この今までの新海ヒロインとは魅力の角度が違い、
ファッションに彩られた可愛さとエロスを兼ね備えたヒロインも、
この映画を観る十分すぎる理由になっている。
感想(※ネタバレあり)
7/22(月)夜更新予定!